ブログ説明

ひどい耳鳴りのためTRT療法を体験
その後、難聴は進行して、ほぼ聞こえず。でも耳鳴りだけは聞こえる(笑)
アブミ骨手術ができるということで、その体験談も書きます。
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2026年6月17日水曜日

【経過報告】アブミ骨手術3回目・11日目に詰め物を取りました

先日、左耳のアブミ骨手術を受けてから11日目。

止血のために耳の穴に詰めていた綿などを、やっと取ってもらいました。

実はこれで合計3回目の手術です。
ただし、右耳が2回、左耳は今回が初めて、という内訳です。

前回の記事では「2週間後に綿を取ったとき、どれくらい聞こえるかで決まる」と書いていました。
その、運命の瞬間が来た、という感じですね。

アブミ骨手術後、耳の詰め物をとりました


綿を取った直後、「うるさい」くらい聞こえた

詰め物を取ったのは、血が付いているものを抜いただけです。
閉塞していたものがなくなった、というだけなんですけれど。

聞こえは、明らかに良くなりました。

手術の前後を比べると、補聴器をそのままつけると「うるさい」と思うくらい、改善していると感じています。

まだ聴力検査はしていないので、客観的にどれくらい変わったかはわかりません。
次は2ヶ月後の経過観察で、聴力検査をして調べる予定です。


脈動性耳鳴り——左はほぼ解消、右はまだ続いている

手術後に左耳に加わった、心拍に合わせてズシン、ズシンと——映画の中で恐竜が歩いてくるような重い音は、ほぼ解消しました。

でも、今まで通りの耳鳴りが、右耳側で続いています。

心拍に合わせて、工事現場の杭打ち機がドカンと鳴るような音。もしくは、一斗缶をガンガン叩いているような音が、ガンガン響いている感じです。


手術直後の耳鳴りのイメージ


今の耳鳴りのイメージ(恐竜の足がなくなりました)

脈動性耳鳴りというのは、心拍が聞こえてしまうものです。
心拍モニターをずっとつけている感じなので、不整脈などで脈が飛ぶとすぐ気づいてしまって……正直、これだけは超気持ち悪いんですよね。

詰め物を取って聞こえが戻っても、右耳のほうは、まだ解消していません。


半年ぶり? ステレオで音楽が聞こえた

両耳で聞こえるようになったので、補聴器を通してですけれど、音楽をステレオで聴くことができました。

聞こえる方の耳の聴力が少し上がったこともあり、アプリで左側のボリュームを少し下げて、バランスを調整しています。

でも、聞こえに余裕が出たことはあるので。

音楽を聴いたとき、今までは声の大きな主旋律しか聞こえていなかったのですけれど、背景にこんなにたくさん音があるんだな、とまた気づきました。

半年ぶりのステレオ、ですね。


聴力検査、してほしい派です

手術後はしばらく経過が落ち着かないので、「そう頻繁に聴力検査をしても意味がないだろう」ということで、今の先生はあまり聴力検査をしません。

過剰検査をしない、というのは良い医者だと思うんですけど。

私的には、いっぱいデータを見たいから、してほしいな、という感じがします(笑)。

2ヶ月後も「どうする?」と聞かれたので、「検査しましょう」と言って、検査を入れてもらいました。


何より嬉しいのは、普通にお風呂に入れること

耳の詰め物を取って、何より嬉しいのは、普通にお風呂に入れることです。

いつもお風呂に入っていて感じることはないと思うのですが、普通は耳の中が濡れるなんてことはないので、普段は気にしなくていいんですよね。

しかし、耳の中に綿を詰めていれば、そこに水が付くと染み込んでいって、耳の奥にまで入っちゃうんです。

お風呂の水が奥まで染み込んで、傷口の上にあると嫌じゃないですか。

なので、濡らさないようにめちゃめちゃ厳重にテープを貼ったりして、防水してからお風呂に入っていましたけど。

それをしなくていいのが、めちゃめちゃ楽です。

綿を詰めていなければ、普通にお風呂に入る分には中が濡れることはほぼないですからね。
多少水がしっとりするので、綿棒で入り口付近だけ軽く拭うようにしています。


詰め物をしていると、耳が蒸れる

季節はまだ夏真っ盛りではないんですけど、だんだん暑くなってきて。

詰め物をしていると耳がやはり蒸れるので、痒いんですよね。

詰め物の綿を取ったところで、耳の穴の中を掻くわけにはいかないんですけれど、通気が良くなると気持ちが良いです。
ありがたいことですね。


補聴器と過ごす夏の、いつもの戦い

でも、私の場合は起きている間は必ず補聴器をして生きているので、夏になるとやはり耳は蒸れます。

汗をかくような作業も、あまりしたくないです。
耳の中に汗をかくのが、はっきりわかります。

しょっちゅう補聴器を外して乾かして、耳の穴を乾かして、少しだけ綿棒などで拭いつつ、という過ごし方をする夏です。

補聴器をするのは、結構大変です。

冬は寒くて電池がヘタって聞こえなくなるし。
夏は蒸れて暑いし。

良いことはないんですけど、使わなきゃ音が聞こえなくて生きていけないので、仕方がなく使います。


これから

2ヶ月後の定期受診で、聴力検査の結果が出ます。
数字でどれくらい変わったか、楽しみにしています。

同じように耳のことで悩んでいる方がいたら、少しでも参考になればうれしいです。

※医療の内容は私個人の体験記です。治療方針は必ず医師にご相談ください。




2026年6月7日日曜日

左耳のアブミ骨手術を行いました

 先日、左耳のアブミ骨手術をしてきました。

実はこれで、合計3回目です。


右耳から始まった、長い道のり

まずは右耳を1回やりました。
経過が良くなくて、2回目をやった、という流れです。

一旦は良くなったんですけど、そのあと感音難聴が悪化して、右耳はほとんど聞こえなくなりました。
聴力損失は 95dB ぐらいまでいっています。

これくらい悪いと、補聴器をしても会話はほとんど成立しません。


左耳を手術することにした理由

そこで、まだマシな方の左耳をどうするか、検討しました。

「良い方」と言っても、聴力損失は 80dB ぐらいありますけどね。

検討のなかで、こんな不安もありました。
「こちらを手術して経過が悪くなったら、本当に両方聞こえなくなるのでは?」と。

ただ、このまま放置しても耳硬化症が悪化して難聴が進みそうだし、手術をしてもこれ以上悪くなる余地(悪くなり代)も少ない、という判断で、手術をすることにしました。

手術直後の今は、止血のために左耳に綿が詰められていて、補聴器も使えません。
この状態だと、本来はほとんど聞こえないはずです。

右耳に補聴器を入れているだけなので、会話が全く成立しないはず、という状況でした。


手術の1ヶ月前、テニス肘の話

手術の1ヶ月前、テニス肘が悪くて、近所のクリニックでトリガーポイント注射をしてもらいました。

トリガーポイント注射というのは、少量の麻酔を肘の痛い部分に注入して、痛みを和らげるものです。
そのクリニックでは、オプションで 500円 追加すると、炎症を抑えるステロイド剤(デカドロン)を入れてくれます。

私はステロイド剤に拒絶感がないので、「500円で入れて」とお願いしました。

肘の診断のときにレントゲンを撮ったところ、腱の一部が石灰化していると言われました。
腱の一部に石灰質がついて固まってしまう、という現象ですね。

耳硬化症も、アブミ骨の根元が硬化(石灰化)するものです。
「硬化(石灰化)」という言葉だけ見ると、なんだか似ている気がします。
実際の現象は、ちょっと違うらしいんですけどね。


ピップエレキバンを貼った、軽い気持ちの実験

テニス肘のところにピップエレキバン*を貼りました。
私、磁石がとても効くタイプなので、思い立って貼った、という感じです。

そのとき、「テニス肘にも効くんだから、同じ石灰化なんだから耳にも効くんじゃね?」なんて、軽い気持ちで思いまして(笑)、耳の根元にもピップエレキバンを貼ってみました。

2日後。

右耳が、補聴器を使えば会話できる程度に聞こえるようになっていたのです。

正直、信じられない話だと思います。

これまで、補聴器の起動音自体が、右耳では蚊のささやきのような小さな音にしか聞こえなかったのが、ちょいとうるさいぐらいになっています。

ピップエレキバンとステロイド剤を同時にやったので、「ステロイド剤の効果なのかな?」と感じました。
肘に局所注射したとはいえ、ステロイドが血流に乗って全身に回ることは考えられるので、そのせいで聴力が改善された、とも考えられます。

ただ、ステロイド剤の効果はだいたい2週間ぐらいで消える、と思っていたんです。
なぜか、現在もその改善効果が続いています。

*正確にはピップエレキバンではなくて、100均で買った強力なネオジウム磁石をテープで貼り付けました。

3週間後の悪化と、もう一度の検証

3週間ぐらい経ったところで、聴力が一旦、前のように悪くなりました。
「ステロイド剤の効果が消えたのか」と思いました。まあ、当然ですよね。

その頃にはピップエレキバンも、正直、面倒になって3日以上貼っていませんでした。

そこで「もしここで貼って聴力が改善したら、ステロイドじゃなくてピップエレキバンなんだな」などと、冗談半分で貼ってみました。

すると、朝起きると聴力が改善していたのです。

信じられない話なんですが、現在は手術後で、右耳も完全に聞こえているわけではないんですけど、かろうじてですが人と会話をすることができます


ステレオで音楽が聞こえた、半年ぶり

この謎の改善効果がなければ、どうなっていたか。

左耳はほとんど聞こえていないので、補聴器から音楽を入れても、ステレオには聞こえない日々が半年続いていました。

現実世界の音は、音の位置の推定ができる程度には役に立っていたような感じでしたけど、音楽を「ステレオ」という感じで楽しむことはできませんでした。

改善効果のあとは、右耳も左耳に近い程度に聞こえるので、なんとこの間、ステレオで音楽が楽しめました
半年ぶりの音楽、ですね。

奇跡的な結果を得た、という感じです。
現在は左耳の手術をして、その結果待ちです。

結果は、2週間後ぐらいに病院で止血用の綿を取ったとき、どれくらい聞こえるかで決まります。
楽しみにしています。


今の耳鳴りと、手術後の体調

ただ、今のところ耳鳴りが増えています。

今までは——

  • 右側:心拍に合わせて、工事用の杭打ち機がドカンと鳴る音。もしくは、一斗缶をガンガン叩いているような音
  • 左側:ジェット機の騒音のようなキーンという音

に加えて、今回手術した左耳には、心拍に合わせてズシン、ズシンと、映画の中で恐竜が歩いてくるような重い音が響いています。
耳鳴りの種類が、1つ増えた、という感じですね。

しんどいと思えばしんどいですが、それは仕方がないことだと思います。

脈動性耳鳴りというのは、心拍が聞こえてしまうものです。
心拍モニターをずっとつけている感じなので、不整脈などで脈が飛ぶとすぐに気づいてしまって、これだけは正直、超気持ち悪いんですよね。

今の耳鳴りのイメージ


麻酔覚醒時の吐き気

今回の手術では、麻酔が覚めたときに吐き気でかなり気分が悪くて、意識も少し錯乱してしまいました。
「この超気分悪いので死にたい」なんて、一瞬だけ思いました(笑)。

ただ、吐き気止めの点滴はすごいですね。
ほんの30分ほどで、この強烈な吐き気が止まって、その後は落ち着いて過ごすことができました。

耳は動かす場所ではないので、手術後の痛みはほとんど感じませんでした。
めまいや味覚障害、顔面神経麻痺といった後遺症も、今のところはありません。

吐き気の原因が、耳をいじったからなのか、鎮痛剤のフェンタニルなのかは、よくわかりません。
昔、鼻の手術をしたときにはフェンタニルを使っていなくて、麻酔が覚めるときは全く気分悪くなかったんですよね。

4コマ漫画はこの手術直後の苦しさを表しています。




入院スケジュール

参考までに今回の入院について。

入院は 3泊4日 でした。

  • 手術前日:入院、麻酔準備の管理など
  • 翌日:手術
  • 手術の翌日:抗生剤などの点滴
  • 手術の翌々日:退院

結果が出るまで、約2週間待つところです。
同じように耳のことで悩んでいる方がいたら、少しでも参考になればうれしいです。

※医療の内容は私個人の体験記です。治療方針は必ず医師にご相談ください。

2025年12月26日金曜日

アブミ骨手術、右耳を2回行った経過

私は「耳硬化症」という病気のため、これまでに右耳の「あぶみ骨手術」を2回受けました。1回目で思うような結果が出なかったため、再手術に踏み切ったという経緯です。

ネットでこの手術について調べると、「聴力の改善率は90%程度」という非常に高い数字をよく目にします。しかし、それはあくまで「伝音難聴」だけが原因の場合の話。

私の場合は「感音難聴」もそれなりに進んでいるため、最初から前提条件が違いました。補聴器が不要になるほどの劇的な改善は、最初から目標にはしていません。

再手術ということもあり、「良くなる確率は50%くらい」という見通しを納得した上で、手術に踏み切りました。

結果が良くなってなくても、それも想定内だから



「変わらない」という結果をどう捉えるか

結果として、2回の手術を経ても右耳の聴力は良くなりませんでした。

数字だけを見れば「失敗」に見えるかもしれませんが、私自身はそうは捉えていません。成功率が50%ということは、残りの50%は「良くならない」ということです。私はただ、想定の範囲内であった「良くならなかった方の半分」に入っただけ。そう解釈しています。

少なくとも、約1%の確率で発生すると言われる「グッシャー(Gusher)症候群」によって聴力を完全に失うような、明確なアクシデントが起きたわけではありません。それは一つの救いでもあります。


前向きに、次は左耳へ

耳硬化症は進行性の病気です。 たとえ聴力が上がらなかったとしても、手術によってこれ以上の進行を防ぐことができているのであれば、それだけでも「手術をした意味」は十分にあったと考えています。

悪いように考えても仕方がないですからね。

まずは右耳の2回の手術を終えた一つの区切りとして、この経過を受け止めています。実はまだ、手術をしていない左耳も控えています。

右耳の経験を踏まえつつ、次は左耳の手術に向き合っていく予定です。同じ病気で悩む方の参考になれば幸いです。

アブミ骨手術、右耳2回目までの経過



2025年12月18日木曜日

【経過報告】アブミ骨手術・第2ラウンド!2回目の手術から5ヶ月後まで

こんにちは。 今回は、2025年7月に行った「右耳・2回目」のアブミ骨手術について、その後の経過をシェアしたいと思います。ちょっと長くなりますが、これから手術を考えている方や、同じ悩みを持つ方の参考になれば嬉しいです!

2回目の手術から5ヶ月後まで


手術は「寝ている間」に終了!…でも意外な伏兵が?

今回も前回同様、前日から5日間の入院コースでした。 手術自体は全身麻酔なので、文字通り「寝ているだけ」で終わります。耳の痛みやめまいも特になく、経過はとってもスムーズ。

ただ、想定外だったのが手術後の「尿道カテーテル」です。これによる痛みが2日間ほど続き、今回一番の試練は耳ではなく、まさかの「そこ」でした(笑)。

先生の神対応と、綿を抜いた瞬間の感動

今回、主治医の先生が交代されたのですが、とてもベテランの頼もしい方でした。 「アブミ骨の基礎をレーザーで整え、骨の隙間もベストな形に再形成しました」とのことで、術後の説明もバッチリ。

そして退院から1週間後。耳に詰めていた綿を抜く「運命の瞬間」がやってきます。 抜いた直後から、「あ、明らかに音が大きい!」と実感。補聴器の調整でも音量を10デシベル下げることができ、数字以上の大きな進歩を感じて「おお、これぞ成功だ!」とめっちゃ嬉しかったです。

ストレスは「聞こえ」の天敵

ところが……世の中そう甘くはありません。 術後の3ヶ月間、仕事が「ストレスMAX」な状態に。すると、せっかく改善した聴力が、自分でも自覚できるほど急落してしまったのです。

5ヶ月後の検診では、右耳の聴力損失が90デシベルを超えていました。「2回の手術をしたけれど、実態としてはあまり改善していない」「元の木阿弥」という、ちょっぴり残念な結果に。 お医者様も「なぜこんなに……」と首を傾げていましたが、心の中では「いやぁ、あのストレスMAXのお仕事でしたからね、もう労災だね」と確信しています(笑)。

障害等級と「聞こえ」のリアル

ここで少し、聴力と等級のお話を。 私の現在の「4級」は、補聴器を使ってなんとかコミュニケーションが取れるギリギリのラインで、日常生活にも不便を感じます。

聞こえない右耳の「聴力損失90デシベル」とは、補聴器を使っても音が情報として入ってきません。音があるかないか、やっとわかる程度です。両耳がこの状態になると「身体障害者3級」になりますが、そうなると補聴器を使ってもほぼ聞こえず、生活はかなり厳しくなります。

よく、80代くらいの方が「耳が遠くなった」とおっしゃいますが、その多くは30デシベル程度の損失です。私は補聴器をフルパワーで使って、ようやくその方々と同じレベル。「聞こえる」ことの懐かしさを、しみじみと感じることもあります。

目指せ、トータル3回目の手術!

右耳の結果を受けて、先生からは「左耳の手術を勧めるのは難しいかも……」というお話もありました。でも、耳硬化症は進行性の病気。放置すれば悪くなる一方です。

それなら、やってみる価値はあるはず! 「悪くても現状維持、良ければラッキー。期待値はプラスだ」とポジティブに捉え、左耳の手術もお願いすることにしました。先生も私のこの前向きな姿勢に、少し驚きつつ感心してくれました。

アブミ骨手術、2回目の手術から5ヶ月後まで


次回、6月に決戦!

手術の予約はなんと8ヶ月先まで満杯でしたが、先生が調整してくださり、来年6月に「トータル3回目(左耳は初)」の手術が決まりました。

術後の約2週間は、今よりもさらに聞こえない「静寂の期間」を体験することになりそうですが、それもまた貴重な経験だと思って楽しんで(?)みようと思います。 「悪く考えても、何も改善しないもんね!」

今後の経過もお楽しみに。


2025年1月20日月曜日

【実録】アブミ骨手術後の4ヶ月:効果の停滞と再手術決定までの経緯

 アブミ骨手術を終え、止血のために耳に詰められていたガーゼが取れたとき。聞こえる音が大きくなった、あるいは聞き取りやすくなったというような明確な変化は認識できませんでした

術後の変化について、「こんなものなのか?」という感想を持ちました。

術前の説明では、耳の中の水分が抜けて聴力が回復するまでに約3ヶ月、聴力が安定するまでには約6ヶ月かかるとのことでしたので、「これから良くなっていくのだろう」と様子を見ることとしました。

アブミ骨手術1回目から再手術決断まで


📊最初の聴力変化と補聴器調整

手術から約1ヶ月が経過した頃、まだ効果が安定していない時期でしたが、補聴器を装用すると音量が上がっていることを確認できたため、補聴器の調整を行いました。

調整内容としては、手術を実施した右耳の音を5dBほど小さく設定した、というものでした。これは、手術によって聴力が5dB程度改善したことを示しています。聴力損失が70dB程度の状況で5dBの改善は、回復度合いとしてはわずかであるという認識でした。また、効果がまだ安定しない時期であったため、「今後の推移を見守る必要がある」と考えていました。

聴力検査における5dBは誤差の範囲とされることもありましたが、実際に聞こえる音としては、5dBの上昇で音を**「うるさく感じる」程度の差**が生じました。このため、改善が起こっていることは確かでした。しかし、空気で伝わる聴力(気道聴力)と骨で伝わる聴力(骨伝導聴力)の差(気骨導ギャップ)が20dBほど残っていたため、「更なる改善の余地はあるだろう」という状況でした。

📉効果の停滞とCT検査による原因特定

当初感じたわずかな改善効果も、3ヶ月が経過する頃にはそれ以上の進展が見られず、聴力は術前の状態に近くなっているという経過をたどりました。

そして、手術から4ヶ月が経過した12月、「この状況は計画と異なっている」という判断からCT検査を予約し、翌1月に検査を受けました。

CT検査の結果、3つある耳小骨のうち、鼓膜側のツチ骨と、その隣のキヌタ骨の間に隙間が発生していることが判明しました。これにより音の振動がうまく伝わらなくなり、聴力の回復が妨げられている、という結論に至りました。

🗓️再手術の選択と術式の決定

聴力が回復していない右耳に対し、以下の選択肢を検討することになりました。

  1. 回復していない右耳を再手術する。

  2. このままにして、比較的状態の良い左耳の手術を実施する。

左耳の手術を選択した場合、右耳が聞こえない状態に加えて、左耳が回復するまでの期間、聴覚がほぼ機能しない状況に陥ることが想定されました。この負荷を考慮し、右耳の再手術を選択しました。

再手術の方法については、以下の通りでした。

  • 第一選択: 隙間が生じたツチ骨とキヌタ骨の間を埋めて、耳小骨の連鎖を再構築する

  • 第二選択: それが困難な場合、キヌタ骨を迂回(バイパス)し、ツチ骨とアブミ骨を直接連結する(キヌタ骨による音の増幅効果が得られないため、第二選択とされました)。

具体的な術式は、手術中に可能な最善の方法を選択してもらうこととし、医師に一任しました。準備を進め、2回目の手術は、1回目の手術から11ヶ月後となる2025年7月に行いました

アブミ骨手術後、再手術までの道のり


2024年8月31日土曜日

アブミ骨手術体験記~手術当日から直後~

今回は、私が経験した「アブミ骨手術」について、入院から術後しばらくの様子をリアルにお伝えしたいと思います。

聞こえに問題を抱え、手術を勧められた時、「良くなる可能性もあるんだ」と少しだけ期待した気持ちでした。メリットだけでなくリスクもしっかりと説明していただいたので基本的に即断でアブミ骨手術を受けることを決め、手術前日からの入院となりました。合計で4泊5日間の入院生活です。

手術前日は、手術に向けての準備がありましたが、基本的には静かにのんごり過ごしました。

手術当日

そして迎えた手術当日。手術着に着替え、歩いて手術室に向かいました。大学病院なので、病棟から手術室のある棟まで、迷路のような道を案内してくれる看護師さんと一緒に進みます。この間、看護師さんとおしゃべりタイム。

大学病院の手術室は、廊下の突き当りに両開き扉があって、扉の上に手術室というランプがあるなんていうイメージとは全然違いました。大学病院ではたくさんの手術室があるので、「ここから手術室エリアでーす。」という扉の向こうは、たくさんの手術室が並んだバックヤードの廊下のような感じ。ここへは、患者はストレッチャーで運ばれるか、私のように案内の看護師さん連れしか来ないエリアなので、案内表示などがない、スーパーマーケットのバックヤードとかそんな感じ。

「ここですね」という看護師さんの言葉で、とある扉の前で待つ。

「もう時間なんですけど、今、多分中で準備しているんですよ。この扉が開いたら、きっと、わーっと取り囲むようにたくさんの人にいろいろされますよ。」って明るく説明してくれました。私は全然不安のない患者だったので、これまでの話の雰囲気からTPOをわきまえた良い言葉でした。

ドアが開くと手術台まで歩いて寝転がり、それまでに「執刀医の〇〇です」「看護師の〇〇です」「麻酔医の〇〇です」とか名札をチラ見されて挨拶してくれます。「知ってる人、居ないじゃん」と思いましたが、その人垣の後ろで「●●(私の名前)さーん、〇〇(主治医の先生)でーす」と手を上に上げてふりながら声をかけてくれたときに、なんとなくホッとしたことを覚えています。

手術台に寝転ぶと、看護師さんの予言どおり、周りから取り囲んでわーって感じで、「はい心電図付けますね」「はい、酸素マスク」「足には、血栓症防止のエアーマッサージ器つけますね」「はい、点滴刺しますね、手を握ってください。」「ピアスしてないですね、指輪はずしてますね、マニキュア塗ってないです」とか、、、

手術室のイメージ図(AIで作成)

今は、全身麻酔はガスで入れるんじゃないんですね。点滴から入れるようです。「今から麻酔を入れますね」と言われた後、どんどん視界がぼやけていき、わからなくなりました。 

このように麻酔がかかり、目が覚めた時には手術は終わっていました。

手術直後

手術直後は、麻酔の影響か一時的に乗り物酔いのようなひどい吐き気がありましたが、幸いすぐに収まり、その後は大きな不快感はありませんでした。そして何より驚いたのが、麻酔から覚めてもほとんど痛みを感じなかったことです。

手術終了から4時間程度は酸素吸入をしてベッドで安静にして、酸素吸入が終わった夕方からはトイレなどに歩いて行くことはできました。

手術当日は、絶食なので夕食まで食事は出ませんでしたから、夕方以降は水分補給が可能でした。コーヒーはだめでしたが、お茶とはオレンジは飲んでもよいとのこと。口に味が欲しかったのでお茶しか用意してなかったのが後悔です。ちなみに、オレンジジュースはオッケーですがグレープフルーツジュースはだめです。

執刀医の先生からは、外耳道から皮膚を切開したと聞いていましたが、顔や手足のように常に動かす部位ではないためか、術後の傷の痛みは本当に少なかったです。これは本当にありがたかったです。

入院中は、いろいろな薬の点滴はありました。

手術から約2週間後まで

ただ、手術後が全く楽だったわけではありません。術後約2週間は、止血のために手術した方の耳に綿がきつく詰められていました。これが想像以上に大変でした。

まず、綿がきっちり詰められているため、手術した方の耳からは全く音が聞こえません。片耳が完全に塞がれた状態です。日常生活でいかに両耳で音を聞いているか、そして音の方向を判断しているかを痛感しました。

特に困ったのが、音に対する方向感覚が気持ち悪いくらいになくなってしまったことです。例えるなら、目を瞑って音源の方向を指さすのが難しい、といった感じです。

一番ヒヤリとしたのが、散歩中に経験した出来事です。右耳を手術し、綿で完全に塞がれていたため、音は全て左側からしか聞こえません。狭い路地を歩いている時、後ろから車の音が聞こえてきました。左側から音がするので、咄嗟に右に避けようとしました。ところが、実際に車が来ていたのは右側だったのです。

車は徐行してくれていたので間一髪で済みましたが、もし避け方を間違えていたらと思うとゾッとします。「この歩行者、急に車道の中央に寄ってくる!」と、運転手さんからすれば最悪な状況だったと思います。本当にご迷惑をおかけしました。

歩いていて車に接触しそうになったイメージ


このように、術後しばらくは聞こえや方向感覚の面で不便なこともありましたが、これも回復のため、より良い聞こえを手に入れるための必要な過程だと自分に言い聞かせながら過ごしました。

アブミ骨手術を検討されている方、術後の様子が気になる方の参考になれば幸いです。