今回は、私が経験した「アブミ骨手術」について、入院から術後しばらくの様子をリアルにお伝えしたいと思います。
聞こえに問題を抱え、手術を勧められた時、「良くなる可能性もあるんだ」と少しだけ期待した気持ちでした。メリットだけでなくリスクもしっかりと説明していただいたので基本的に即断でアブミ骨手術を受けることを決め、手術前日からの入院となりました。合計で4泊5日間の入院生活です。
手術前日は、手術に向けての準備がありましたが、基本的には静かにのんごり過ごしました。
手術当日
そして迎えた手術当日。手術着に着替え、歩いて手術室に向かいました。大学病院なので、病棟から手術室のある棟まで、迷路のような道を案内してくれる看護師さんと一緒に進みます。この間、看護師さんとおしゃべりタイム。
大学病院の手術室は、廊下の突き当りに両開き扉があって、扉の上に手術室というランプがあるなんていうイメージとは全然違いました。大学病院ではたくさんの手術室があるので、「ここから手術室エリアでーす。」という扉の向こうは、たくさんの手術室が並んだバックヤードの廊下のような感じ。ここへは、患者はストレッチャーで運ばれるか、私のように案内の看護師さん連れしか来ないエリアなので、案内表示などがない、スーパーマーケットのバックヤードとかそんな感じ。
「ここですね」という看護師さんの言葉で、とある扉の前で待つ。
「もう時間なんですけど、今、多分中で準備しているんですよ。この扉が開いたら、きっと、わーっと取り囲むようにたくさんの人にいろいろされますよ。」って明るく説明してくれました。私は全然不安のない患者だったので、これまでの話の雰囲気からTPOをわきまえた良い言葉でした。
ドアが開くと手術台まで歩いて寝転がり、それまでに「執刀医の〇〇です」「看護師の〇〇です」「麻酔医の〇〇です」とか名札をチラ見されて挨拶してくれます。「知ってる人、居ないじゃん」と思いましたが、その人垣の後ろで「●●(私の名前)さーん、〇〇(主治医の先生)でーす」と手を上に上げてふりながら声をかけてくれたときに、なんとなくホッとしたことを覚えています。
手術台に寝転ぶと、看護師さんの予言どおり、周りから取り囲んでわーって感じで、「はい心電図付けますね」「はい、酸素マスク」「足には、血栓症防止のエアーマッサージ器つけますね」「はい、点滴刺しますね、手を握ってください。」「ピアスしてないですね、指輪はずしてますね、マニキュア塗ってないです」とか、、、
| 手術室のイメージ図(AIで作成) |
今は、全身麻酔はガスで入れるんじゃないんですね。点滴から入れるようです。「今から麻酔を入れますね」と言われた後、どんどん視界がぼやけていき、わからなくなりました。
このように麻酔がかかり、目が覚めた時には手術は終わっていました。
手術直後
手術直後は、麻酔の影響か一時的に乗り物酔いのようなひどい吐き気がありましたが、幸いすぐに収まり、その後は大きな不快感はありませんでした。そして何より驚いたのが、麻酔から覚めてもほとんど痛みを感じなかったことです。
手術終了から4時間程度は酸素吸入をしてベッドで安静にして、酸素吸入が終わった夕方からはトイレなどに歩いて行くことはできました。
手術当日は、絶食なので夕食まで食事は出ませんでしたから、夕方以降は水分補給が可能でした。コーヒーはだめでしたが、お茶とはオレンジは飲んでもよいとのこと。口に味が欲しかったのでお茶しか用意してなかったのが後悔です。ちなみに、オレンジジュースはオッケーですがグレープフルーツジュースはだめです。
執刀医の先生からは、外耳道から皮膚を切開したと聞いていましたが、顔や手足のように常に動かす部位ではないためか、術後の傷の痛みは本当に少なかったです。これは本当にありがたかったです。
入院中は、いろいろな薬の点滴はありました。
手術から約2週間後まで
ただ、手術後が全く楽だったわけではありません。術後約2週間は、止血のために手術した方の耳に綿がきつく詰められていました。これが想像以上に大変でした。
まず、綿がきっちり詰められているため、手術した方の耳からは全く音が聞こえません。片耳が完全に塞がれた状態です。日常生活でいかに両耳で音を聞いているか、そして音の方向を判断しているかを痛感しました。
特に困ったのが、音に対する方向感覚が気持ち悪いくらいになくなってしまったことです。例えるなら、目を瞑って音源の方向を指さすのが難しい、といった感じです。
一番ヒヤリとしたのが、散歩中に経験した出来事です。右耳を手術し、綿で完全に塞がれていたため、音は全て左側からしか聞こえません。狭い路地を歩いている時、後ろから車の音が聞こえてきました。左側から音がするので、咄嗟に右に避けようとしました。ところが、実際に車が来ていたのは右側だったのです。
車は徐行してくれていたので間一髪で済みましたが、もし避け方を間違えていたらと思うとゾッとします。「この歩行者、急に車道の中央に寄ってくる!」と、運転手さんからすれば最悪な状況だったと思います。本当にご迷惑をおかけしました。
| 歩いていて車に接触しそうになったイメージ |
このように、術後しばらくは聞こえや方向感覚の面で不便なこともありましたが、これも回復のため、より良い聞こえを手に入れるための必要な過程だと自分に言い聞かせながら過ごしました。
アブミ骨手術を検討されている方、術後の様子が気になる方の参考になれば幸いです。
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