アブミ骨手術を終え、止血のために耳に詰められていたガーゼが取れたとき。聞こえる音が大きくなった、あるいは聞き取りやすくなったというような明確な変化は認識できませんでした。
術後の変化について、「こんなものなのか?」という感想を持ちました。
術前の説明では、耳の中の水分が抜けて聴力が回復するまでに約3ヶ月、聴力が安定するまでには約6ヶ月かかるとのことでしたので、「これから良くなっていくのだろう」と様子を見ることとしました。
| アブミ骨手術1回目から再手術決断まで |
📊最初の聴力変化と補聴器調整
手術から約1ヶ月が経過した頃、まだ効果が安定していない時期でしたが、補聴器を装用すると音量が上がっていることを確認できたため、補聴器の調整を行いました。
調整内容としては、手術を実施した右耳の音を5dBほど小さく設定した、というものでした。これは、手術によって聴力が5dB程度改善したことを示しています。聴力損失が70dB程度の状況で5dBの改善は、回復度合いとしてはわずかであるという認識でした。また、効果がまだ安定しない時期であったため、「今後の推移を見守る必要がある」と考えていました。
聴力検査における5dBは誤差の範囲とされることもありましたが、実際に聞こえる音としては、5dBの上昇で音を**「うるさく感じる」程度の差**が生じました。このため、改善が起こっていることは確かでした。しかし、空気で伝わる聴力(気道聴力)と骨で伝わる聴力(骨伝導聴力)の差(気骨導ギャップ)が20dBほど残っていたため、「更なる改善の余地はあるだろう」という状況でした。
📉効果の停滞とCT検査による原因特定
当初感じたわずかな改善効果も、3ヶ月が経過する頃にはそれ以上の進展が見られず、聴力は術前の状態に近くなっているという経過をたどりました。
そして、手術から4ヶ月が経過した12月、「この状況は計画と異なっている」という判断からCT検査を予約し、翌1月に検査を受けました。
CT検査の結果、3つある耳小骨のうち、鼓膜側のツチ骨と、その隣のキヌタ骨の間に隙間が発生していることが判明しました。これにより音の振動がうまく伝わらなくなり、聴力の回復が妨げられている、という結論に至りました。
🗓️再手術の選択と術式の決定
聴力が回復していない右耳に対し、以下の選択肢を検討することになりました。
回復していない右耳を再手術する。
このままにして、比較的状態の良い左耳の手術を実施する。
左耳の手術を選択した場合、右耳が聞こえない状態に加えて、左耳が回復するまでの期間、聴覚がほぼ機能しない状況に陥ることが想定されました。この負荷を考慮し、右耳の再手術を選択しました。
再手術の方法については、以下の通りでした。
第一選択: 隙間が生じたツチ骨とキヌタ骨の間を埋めて、耳小骨の連鎖を再構築する。
第二選択: それが困難な場合、キヌタ骨を迂回(バイパス)し、ツチ骨とアブミ骨を直接連結する(キヌタ骨による音の増幅効果が得られないため、第二選択とされました)。
具体的な術式は、手術中に可能な最善の方法を選択してもらうこととし、医師に一任しました。準備を進め、2回目の手術は、1回目の手術から11ヶ月後となる2025年7月に行いました。
| アブミ骨手術後、再手術までの道のり |
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