最近、私は「聞くこと」を半分あきらめています。
耳の状態がここまで悪くなると、どれだけ神経を研ぎ澄ませて努力をしても、結局は空振りに終わることが多いからです。聞こえないことに抗うのをやめたら、少しだけ心が軽くなった気もしています。
とはいえ、生活をしていれば避けて通れないのが**「お店のカウンターでのコミュニケーション」**です。
| スマホの文字起こし機能、優秀すぎます(笑) |
「筆談」という申し訳なさ
耳が聞こえない私にとって、確実な手段は「筆談」です。 でも、これにはいつも心のどこかで「申し訳ないな」という気持ちがつきまといます。
私はもともと声が聞こえていた時期があるので、自分は「喋る」という楽な方法で伝えられます。一方で、相手にはわざわざ手を止めて「文字を書く」という大きな負担を強いてしまう。自分は楽をしているのに、相手にだけ苦労をかける。このアンバランスさが、結構ツラいものなのです。
救世主は、ポケットの中に
そんな私を助けてくれるのが、テクノロジーの力。愛用しているGoogle Pixelの音声文字入力機能です。
カウンターでスマホを差し出し、機能をオンにする。「耳が聞こえないので、これでお話ししてもいいですか?」と一言添えれば、相手の話したことがリアルタイムで画面に文字となって浮かび上がります。
大きめの文字設定にしておけば、読み取りもスムーズ。日本の皆さんは優しいので、こちらの状況を察して、なんとなくペースを合わせてくれることが多いのも本当にありがたいなと感じます。
優秀すぎて起こる「笑える落とし穴」
ただ、この便利な機能にも「落とし穴」があります。それは、この機能が優秀すぎること。
レジやカウンターって、当然ながら自分たち以外にもたくさんの人がいますよね。 私は相手が今喋っているのかどうかが判断できないので、画面に文字が出れば「あ、返事だ」と思って反応します。ところが、目の前の店員さんはポカンとした顔。「へ?」という空気になります。
そうです。隣のレジのお客さんの会話まで、私のスマホは完璧に拾い上げて文字にしてくれていたのです(笑)。 「あ、これ隣の人ですね!」なんて笑って済ませられることも多いですが、高性能すぎるのも考えものですね。
ポイントカードが「沈黙」を連れてくる
そして、最近一番「不便だな」と感じるのが、皮肉にも便利なはずの**「スマホのポイントカード」**です。
最近は何でもスマホ一台にまとまっていますが、支払い時にポイントカードの画面を出そうとすると、文字入力機能を一旦閉じなければなりません。
この瞬間に、せっかく繋がっていた言葉の橋がぷつりと切れて、私はまた「音のない不便な世界」に引き戻されます。 店員さんが何かを確認したそうな顔をしても、画面はポイントカード。何を言われているのか、もう分かりません。
「こういう時だけは、昔ながらの物理カードの方がいいな……」
そんな贅沢な悩みを感じる今日この頃です。 便利さと不便さの間を行ったり来たりしながら、今日も私はスマホを片手に、街の中へ出かけていきます。
| スマホの文字起こし機能は便利ですよね |
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